エアコン取付解説記事も10記事目となりました。
このページで完結します✌
文章を書くのが得意でない"まいたけ"、、、
途中、記事を書くのを何度挫折しようとした事か・・・。
そんなこんなの葛藤と戦い、ここまで辿り着きました💦
・・・そんなことはどうでも良いですね。
- 《エアコン取付方法 記事一覧》
①取付位置の選定
②据付板の固定
③配管穴開口
④渡り線の接続
⑤フレア加工
⑥室外機準備
⑦室内機取付(右配管)
⑧室内機取付(左配管)
⑨室外機接続
⑩真空引き~完成 ←いまココ
真空ポンプでエアパージ
エアコンの冷媒ガスは、室内機・室外機、それをつなぐ配管内を流れて熱交換器で熱交換します。
その配管内に空気が入ってしまうと、熱効率を下げるのはもちろん、機器にダメージを与えてしまい、最悪の場合故障に至ります。
なので、配管内の空気を確実に抜き、真空状態にしてからガスを充填させる必要があります。
その空気を抜く工程を"エアパージ"と言います。
メーカー指定というか、現代では真空ポンプを使ったエアパージが常識です。
が、
まだまだいるんですね。真空ポンプを使わずガス圧でエアパージする業者。
まいたけがエアコン工事をするきっかけになった、クソヤロウによるエアコン取付もガス圧式エアパージでした。。
ガス圧式エアパージとは、空気で満たされた配管内を、サービスポートを開放した状態で、冷媒ガスを開放するんです。
そうすると冷媒ガスは配管内に流れ、配管内の空気を押しながら循環します。配管内にあった空気はサービスポートから出てきます。冷媒ガスも配管内を一周するとサービスポートから出てきます。
その冷媒ガスが出てきたタイミングで、サービスポートのバルブを締めて、エアパージ完了と言う訳です。
でも空気は完全に抜けるわけありません。ガスと混ざったり、配管内に残ってしまいます。
あと、冷媒ガスも大気中に出てしまいます。
大気中に出てしまうとオゾン層の破壊につながるのはもちろん、最近の冷媒ガスR32や、一昔前のR410Aの冷媒ガスは混合ガスなので、ガスの比率が変わって、エアコンの効率を落としてしまいます。
空気もガスと混ざった状態になるので、先述の通り機器にダメージを与えてしまい故障のリスクが高まります。
なぜガス圧式エアパージ?
そんな全くメリットの無いガス圧式エアパージをする業者がいるのか?
答えは簡単。究極に時短できるから。
真空ポンプを使ってエアパージすると、30分くらいかかります。
でも、ガス圧式エアパージは数秒で終わります。
取り付け後しばらくは問題なくエアコンは稼働するので、手抜き工事したと分からないので、やってしまう業者も少ないながらもいるんですね。
エアコン取付工事の終盤に、ブシューって大きな音が聞こえたら要注意です(というかその時点で手遅れ💦)
機器の準備
前置きが長くなりました💦
今回使う機器はこれです。
マニホールドゲージのセットと、ウルトラミニツーステージ真空ポンプ(写真のは旧タイプなので現行機種のリンクです)。
両方とも1流メーカーのイチネン(TASCO)のモノです。
このマニホールドゲージのセットには、チャージバルブもセットになっています。
もし別のマニホールドゲージを購入する場合は、併せて購入しましょう。
初期投資はかかるけど、安心して長く使いたいので良いモノをチョイスしました。
Amazonを見ていると、格安のセットが売られていますが性能や耐久性は分からないです。
あとは必須ではないけど、上の写真にも写っていますが、真空ポンプに取り付ける、真空ゲージも購入しました。
0の位置が、通常の大気圧の状態で、-0.1が真空状態となります。
マニホールドゲージのゲージにも真空域の領域は存在するのですが、
この幅しか無いんです。
何が問題になるかと言うと、真空ポンプを作動させた後に、ちゃんと気密が保たれているかを確認するのですが、この幅だと微量な空気の流入が分からない為、更に安心のできる真空ゲージを導入しました。
室外機と接続
これらの機器は、エアコンの室外機に接続します。
接続するのはサービスポートですが、ガスの開放を2分・3分の開閉バルブを操作するので、この3つのナットを外します。モンキーレンチで外します。
このサービスポートに、マニホールドに付属のチャージホースを接続しますが、接続中にねじを回している最中に虫ピンが押されて、ガスが漏れてしまいます。
それを防ぐために、チャージバルブを使用します。
”開”の方に回すと中のピンが飛び出します。
”閉”の方に回せばピンが奥に引っ込みます。
青色のホースにチャージバルブを接続し、”閉”の位置に回して、サービスポートに接続します。
手で回すだけです。
今回は青色と黄色のホースを使います。
(同じ接続方法なら何色のホースを使っても問題ありません)
このようにサービスポート・マニホールド・真空ポンプを接続します。
黄色のホースは真空ポンプとマニホールドの真ん中。
青色ホースはチャージバルブと、マニホールドの左側に接続です。
ゲージは青い低圧ゲージしか使用しません。
接続時は全てのバルブを締めた状態にしておきます。
エアパージ開始
接続が完了したので、真空ポンプを作動させて配管内を真空にしていきます。
真空ポンプ側から順番にバルブを開けていきます。
動画の方が分かりやすいので、空気の流れ順に追ってバルブを開放しています。
(大きな音が出ます。音量に注意して下さい)
真空ポンプを起動するとブーンと音がして、空気が真空ポンプに抜かれると、バリバリと音がしています。
バルブを順番に開放していくとその間の空気が抜かれているのが分かりますね。
最後のチャージバルブを回すと、室内機・室外機間の配管と室内機内の配管の多量の空気が抜かれる為、結構長い時間がかかります。配管長が長い程時間がかかります。
通常の3~4mの配管だと20分くらい。2F-1F下ろしのような6m配管だと30分程度は稼働した方が良いです。
この真空ポンプを作動させている間に、電線の接続をしたり、配管穴にパテ埋めしたり、ごみの処理・道具の片付けをすると時短になります。エアコン工事に慣れるまではそんな余裕ないですけどね💦
配管内の空気が抜けると、バリバリという空気が抜ける音はしなくなります。
ブーンとなっているだけなら大丈夫です。
真空ゲージを見ると、-0.1まで針が動いています。
マニホールドのゲージも当然ですが、-0.1になってますね。
十分稼働させたら真空ポンプを止めます。
このまま真空ポンプを止めても、逆止弁付きなので空気の逆流はしないはずですが、真空ゲージより上流のバルブを締めた方が確実です。
矢印の2か所のバルブを閉めてから、真空ポンプの電源を切ります。
この状態で10分くらい放置し、針が全く動いていないかを確認します。
もし針が0側に動いていたら、どこかで空気が浸入している事になるので、手直しが必要になります。
冷媒ガス解放
配管内の真空と気密が確保できている事が確認できたので、ガスの開放を行います。
まず、もしバルブの操作を誤って真空ゲージにガス圧がかかると壊れてしまうので、真空ゲージに繋がっていた黄色のホースを外します。
冷媒の開閉バルブを開けるのに、六角棒レンチの4mmが必要になります。
まず上の細い方の配管のバルブを、反時計回りに回して開けます。
プシューっと音が鳴り、配管内にガスが流れていきます。
そのまま全開まで開きます。
マニホールドのゲージを見ると、1.5MPa程度まで圧力が上がります。
続いて、下の太い方の配管のバルブも全開にします。
これでガスが循環できるようになったので、エアコンは機能する状態になりました。
この状態でチャージバルブを閉めて、サービスポートからホースを外すと、青色のホース内に残っているガス約5gが放出されてしまいます。
まぁ、5g抜けても性能には全く問題ないのですが、抜けない方が良い事に間違いありません。
ガスを開放する直前にチャージバルブを閉めて外しておけば簡単ですが、今回はガス圧がかかった状態の写真を撮りたかったのと、きちんとガスが充填された事を確認する為に、マニホールドゲージを接続した状態で開放しました。
この状態でガスを放出せずに外す方法を紹介しておきます。
その為には冷房運転をして、一旦室外機にガスを集める必要があります。
エアコン自体の工事は完了しているので、もうコンセントに電源を挿しても大丈夫です。
余談ですがこのエアコン200V仕様です。
そしてこの疑似壁まで200Vの専用線をブレーカーから引っ張りました。この為だけに💦
電圧も200Vであることをしっかり確認してあります。
作業したのが10月でまだ暑い日だったので、自動運転で冷房運転が開始されました。
屋外でルームエアコン稼働。。何とも異様な光景です💦
すぐに室外機のコンプレッサーが動き、室内機から冷たい風が出てきました。
ガスが循環している証拠です。
もし冬場の場合は、説明書やフロントパネルと開けた所に記載してある、”強制冷房運転”を行い冷房運転を行います。
ホース内の冷媒ガスを回収
冷房運転を行った状態のまま、細い方の管の開閉バルブを時計回りに回して閉めます。
閉める事により、室外機から室内機に向けてガスが流れなくなり、室外機にガスが集まります。
マニホールドのゲージを確認すると、ガス圧がどんどん下がって行きます。
0MPa以下になると、マニホールドに接続してあるホース内も含めて、ほぼ全てのガスが室外機に回収できています。
0MPa以下になったら、チャージバルブを反時計回りに回して閉じます。
チャージバルブを閉じる事により、マニホールドとの接続が外れた状態となります。
チャージバルブを閉じたら、すぐに先ほど閉めた細い方の開閉バルブを全開にし、再度ガスを循環できる状態に戻します。
あとは、チャージバルブをサービスポートから外せばマニホールドとの接続も、ガスを放出せずに外すことが出来ます。
この一連の作業も動画にした方が分かりやすいので動画にしておきました👇
あとは忘れずに、開閉バルブ2か所とサービスポートのナットを締めます。
このナットはある程度ギュッと強く締めておきましょう。
ガスの開閉バルブから微量のガスが漏れる場合があるので、緩いとガスが漏れてしまう事がある為です。
しっかりと締めたら、室外機のカバーを元に戻して、エアコンの取り付け工事は終了です。
エアコン取付完了
いかがでしたでしょうか?
細かく書いたので、全10記事になってしまいましたが、要点をつかめばそんなに難しい内容ではないと思います。
エアコンの取り付けが自分で出来るようになると、ネットで商品のみ注文して自分で設置する事ができます。
高機能で高いエアコンほど、ネットで安く買う事が出来ます。
特に12月~3月は新モデルが発表され、旧モデルがすごく安くなる傾向にあります。
初期投資には結構お金がかかりますが、数台付けるだけで元が取れるので、
やってみよう!
と思えるのであれば、是非自分で取り付けてみて下さい。
エアコンの移設を業者に頼むと万単位でかかりますが、配管が使いまわせるのであれば、ほぼお金もかからずに移設も出来ちゃいます。
でも自分で付けるという事は、失敗しても自己責任になるので、そこは注意が必要ですね👍
自分で設置するのは不安・・・時間が無いと思った場合は地域の業者さんを見つけて交換してもらうというのも一つの手です。
👇のサイトで料金や口コミを比較した上で依頼する事もできます。
今回使用した工具・部材はこちら
- 《エアコン取付方法 記事一覧》
①取付位置の選定
②据付板の固定
③配管穴開口
④渡り線の接続
⑤フレア加工
⑥室外機準備
⑦室内機取付(右配管)
⑧室内機取付(左配管)
⑨室外機接続
⑩真空引き~完成 ←いまココ