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ガタガタと動き 引っ掛かる引き戸を滑らかに!戸車も交換!

2024年1月5日

先日、嫁さんの実家に行った時の出来事です。

キッチン ⇔ 廊下間の引き戸の動きがヤバいんです。



以前からこの引き戸の動きがスムーズではない事は把握していました。

開閉時に、”ゴロゴロゴロ~”といった音がするなぁ。
くらいの感じでしたが。

築年数も経っているので、そんなもんかぁ~。って特段気にしていなかったのですが。。。

摩耗で症状は悪化

とりあえず現状の動画を撮ってみました。

開閉時に引き戸が敷居(引き戸が通る溝)に擦れて引っ掛かり、引き戸後方が飛び上がっていますね💦

ドアが飛び上がった時の振動や開閉時の振動で、床に置いたカメラも揺れています。


少し前から引っ掛かるような感じになったらしく、急速に悪化していったようです。

動きが良くない状態で使い続けた結果、開閉のたびに敷居が削れてしまったんですね💧

現状の敷居を見てみたら、ここまで削れてしまっていました。

白くなっている部分が削り取られてしまった部分。

一番深いところでは、5mmくらい凹んでいるようでした。

引き戸と敷居部分を見てみると、ほぼ接触しています。

この引き戸には戸車が付いているので、普通なら引き戸は数ミリ程度浮いているのが普通。

この状態で引き戸の開閉をすれば、抵抗が大きくて引っ掛かってしまいますね。

開閉時に力も必要だし。

応急処置

この状態で放ってはおけません。

すぐにでも直したい。

直すなら、

小指一本でも

ぬうぅぅぅ~

って動くくらい滑らかな状態まで持っていきたい。

でも、、、

その時は時間が無かったので、応急処置だけしておきました。


引き戸は、両サイドを掴んで、

上に持ち上げて、

手前に引けば簡単に外れます。


引き戸を廊下に横倒しにして、戸車を確認します。

戸車自体は、特に見た目の損傷はありません。

車輪は引き戸底面より飛び出しているので、本来は問題ないはずです。

ただ先述の通り、敷居が削れて凹んでしまっているので、この車輪が接地する時には、引き戸底面が床に当たってしまっているんですね。

なのでこの車輪をもっと飛び出してやれば、擦れる事を回避させられます👍

というわけで、まずはドライバーで戸車を固定しているねじ2本を外します。

今回はねじで固定してありましたが、釘で固定してある場合もあるかと思います。

今回は応急処置なのでこの戸車をそのまま使いますが、交換するつもりなので戸車のサイズを測っておきます。

が、写真を撮り忘れたようです😮

戸車の車輪の直径は30mmで、平型の戸車

付いていたのは恐らく、和気産業 シンギオイル戸車 SH-457じゃないかと思います。

この戸車を、5mm程度浮かせたいので、何か挟むのもはないかと捜索🔍


クルマにM4のナットがあったので、これでいいか・・・。

M4のナットなので3mm程しか上がりませんが、まぁ良いでしょう。。

戸車の取り付け座と、ドアの間にナットを挟み、そのまま元通りねじで固定します。

これで、元の状態よりドアが3mm上がったので、ドア本体が擦れるのは回避されたと思います。

ドアを元通りにしてスライドさせてみると・・・

とりあえずスムーズな動きにはなりましたね👍

スムーズにはなったけど、動画を見ると開閉時に若干カメラが揺れています。

敷居の凸凹と戸車の劣化で、音や振動が解消されていません。


もうこれで十分!と言われましたが、まいたけの直すスイッチは入ったままなので、後日しっかりと直します👍

一般的にはこの”応急処置”で十分なのかもしれません。

お金も時間もほとんどかからないので、同じような症状の方は一度やってみてください😊

敷居(溝)の凹凸を平坦に!

さて二日後、材料を揃えて向かいました。

木工パテA
・20mmの樹脂ヘラ
・ビス
敷居スベリ(21mm幅)
戸車2個

今回の引き戸の敷居は、最も一般的な21mmでしたが、他にも18mmの場合もあるので、実際に溝の幅を測ってから材料を買うようにして下さい👆

(メジャーの当て方が悪くて20mmに見えますが、実際は21mmです)


まず、敷居を平坦にする事から始めますが、簡単なのはノミを使って凸部を削ぎ落とす方法。

ただ今回は最大で5mm程度も削れてしまっているので、低い方に合わせるとなると、全体が5mm程度下がってしまいます。

溝が5mm下がると、

矢印の部分で擦ってしまいます💦

ここまで削れてしまっている場合は、凹みを埋めて高い方に合わせた方が良いです。


まず掃除!

ほこりやごみを取り除いて、パーツクリーナーで掃除しました。

ウエス等にサッと吹いて、サッと拭く程度で。

パテが溝以外に付かないように、マスキングテープを両サイドに貼り付け。

凹みが一番ひどいところに木工パテAを出します。

20mm幅のヘラを買いましたが、木工パテAに付属していたヘラの方が使いやすかったので、そっちを使います。

凹みの奥まで入るようにヘラで均します。

この木工パテ、速乾性なので比較的すぐに固まり始めます。

1mm厚だと10分程度で硬化しますが、2mm程度の厚さになると内部が固まるまですごく時間がかかります。(1時間くらいかな?)

なので、1mm程度の厚さを塗って硬化させての繰り返しをした方が時短できます。


厚くなってしまった部分はヘラで薄くします。

見た目は悪くなるけど、そこは気にせず薄く薄くを意識した方が、結果早く終わります。

凹みの大きい部分を中心に、凹んでいる部分全体を施工しました(1回目)

ヘラからはみ出したパテや、掻き出したパテはペーパーウエスやティッシュ等で拭って、ヘラをきれいな状態にすると作業性もアップするし、仕上がりもよくなります。

ヘラの先端等で、内部まで固まったかを確認。

乾いていないと凹みます。完全に乾くまで次の作業は待ちましょう。

乾いたら2回目。1mmずつ厚さを増していきます。

平坦になるまでこれを繰り返します。

塗ったら休憩。塗ったら休憩。

もともと凹みが大きかった所も埋まってきましたが、縮むせいか他より低くなりがち。。

冬場なので気温が低いので乾くのに時間がかかるので、ドライヤーで温めてみたり。。

やはり温めた方が早く乾いた気がします・・・

でもまだ均一な面は出ていないので、なるべく平坦になるように繰り返し。。

そして、満足のいく平坦な面が完成しました🤗

パテ作業が終わったらマスキングテープを剥がし、溝の壁部分に付着した余分なパテを削ります。

カッターで厚くなった所を切り(削り)落とします。

薄い所はそのままで良いです。厚い所だけで✋

これで敷居部分の平坦化作業は完了です👍

戸車を交換

この作業自体は、パテが乾く待ち時間に行いました。

戸車の取り外しは、応急処置の所で行った通り、ビス2本で固定されていました。

新しく買ってきた戸車は、車輪径30mm 平型ウレタン車輪の戸車です。

サイズもほぼ同じですね。

車輪の直径(30mm)と車輪の滑走面の形状(平型)を合わせれば問題ないと思います。

古い車輪と新しい車輪の回り方の比較を撮ってみました。
(戸車自体はまだ固定していない状態です)

古い戸車は劣化して、ブレが大きくなっているのが分かります。

この違いが、ドア開閉時の滑らかさに影響すると思います(知らんけど😅)。


穴位置も同じでした。

ただ、初めからねじが斜めに打ち込まれていたので、この穴を使うとまた斜めになってしまう。

ボンドを塗ったつまようじで穴を埋めてから、まっすぐにねじ止めしようかと思いましたが、面倒だったのでそのまま使用💦

機能的にも干渉する心配も問題ないので大丈夫。全然問題ありません。

ただ使われていたねじは、ねじ頭をナメやすい+1番のドライバーを使用するトラスタッピングが使われていました。

ねじ頭がナメてる訳でもないし、そのままで問題ないんだけど、個人的には+2番が好きなので交換します。

(右が使われていたねじ・左が今回使用するねじ)

応急処置で入れたナットは使わずに固定します✋

両方の戸車を交換して、引き戸側の準備も完了です👍

敷居スベリを貼り付け

さて敷居の凹凸は解消されましたが、このままでは見た目がアレなのと、ザラザラしているので、仕上げに川口技研の敷居スベリを貼り付けます。

ホームセンターによっては、セメダインの引戸スベリを扱っている店舗もありますが、どちらもほぼ同じなのでお好みで✋

敷居スベリを溝に当ててみると、

ピッタリです。

敷居スベリの両サイドは柔らかくなっていて、曲がるので多少の誤差はここで吸収してくれます。

21mm幅の溝なら、絶対に21mmの敷居スベリを使いましょう!

21mm幅に18mm幅を使ってしまうと、絶対に見た目が残念になります。


どちら側から貼り始めるかは、その場所の作業性を考慮すると良いでしょう。

今回は片方の端は、食器棚の後ろで狭いのでこちら側から貼っていきます。

こちら側を後にすると、カットする位置が正確に出せないし、カットするのも大変です。

両面テープを温める事で接着力が向上するので、寒い時期はドライヤー等で温めておくと良いのですが、温めすぎると貼った後に収縮で短くなってしまうのでほどほどにですが。。

剥離紙を少し剥がして、端に合わせて貼り付け!

ピンっと伸ばしながら、しっかりと押さえつけて接着させます。

剥離紙を少しずつめくりながら、まっすぐ貼り付けていきます。

貼り付ける時に、”木片等で押さえつけると効果的”と書いてあるので、適当な木材等(15mm~18mm幅くらい)が準備できるのであればあると良いでしょう。

まいたけは3Dプリンターで印刷したブロックを持っていきました。

全面をしっかりと押さえつけて貼り付けます。

仕上がりはこんな感じ👇

ほぼ平坦に仕上げられました✌

あとはドアを戻せば完了なんですが。

戸当たりをマイルドに

この引き戸には、かなり昔から貼られているであろう”戸当たり”が貼り付けてありました。

もうほぼ貼ってある意味が無いくらい劣化しているので剥がしますが、今は2歳児がドアを開閉しながら走り回っている環境。

ドアが非常に軽くなる(はずな)ので、戸当たり音の防止と安全のために、新しく戸当たりを貼り付けます。

使用するのは、エプトシーラー(ニトムズ 窓・サッシ用気密パッキン)

(袋は厚さ10mmとなっていますが、中身は厚さ5mmです)

製品の用途としては気密パッキンですが、戸当たりとしても優秀です。

普通のスポンジではなく、発砲ゴムのスポンジなので弾力性も耐久性も素晴らしいです。

ドアの厚さも30mmなのでちょうどいい。

全面に貼り付けて、ドアを戻しました。


これで勢いよく閉めても、”ドカン!”とならずに、”モフ!”といった感じの閉まり方になりました!

子供が手を挟んでも、多少は衝撃を吸収してくれるんじゃないかと思います。

あとは微妙な隙間も塞げるので、冷気・暖気の侵入を防ぐ効果もあり。(本来の使用用途が気密パッキンだからね)

下手な戸当たり製品を買うより、このエプトシーラーの方が機能的に良いと個人的に思います。

交換後の動き

さて、対策のの敷居を見てみましょう。

以前は引き戸と床はかなり接近し、部分的に接触して重たく引っ掛かっていました。

凹みを埋めて、敷居スベリを貼った現在は、

このようにしっかりと隙間を確保できて、擦ってしまうことはありません👍

戸車を新品に交換し、敷居スベリを貼りつけたことにより、開閉時の摩擦も最小限になりました。

実際の動きの動画👇

とてもスムーズです。振動でカメラが動くことも無くなりましたね!

床面があまりにも静かになったので、引き戸上部(鴨居)の擦れる音が気になり始めましたが・・・😅




なが~くなってしまいましたが、引き戸の異音や重さ、引っ掛かりが気になる方は是非真似してみて下さいね!

応急処置だけならとっても簡単です。

どこのホームセンターでも100円程度売ってる、M4サイズのボルト・ナットのセットを買って、ナットだけ使えばできちゃいますよ👍


金属のレール上を動く引き戸を滑らかにする場合は、こちらの記事を参考にして下さい👇😊

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