ポータブル電源

【ポタ電】DELTA PROにしたので、ソーラーパネルを増強!機能的な架台を自作!

2023年8月30日

≪ソーラーパネル架台作製 記事一覧≫

①角度変更可能な架台の設計
②イレクターパイプで架台作製
👉③ソーラーパネル増強&不満点を改良した架台

前回のポタ電記事から随分と空いてしまいました💦

以前はAFERIYのポータブル電源(一般的にP2001シリーズ)を使用していました。

最大出力2000Wで結構重宝していたのですが、以前書いた記事のように、ソーラー入力のピッカチッ問題と、冷却ファンが回っていない不具合が決め手となり、返品となりました。

そのAFERIYのポータブル電源のソーラー入力は、最大500Wまでだったので、ブルーサンソーラーの440Wパネルを購入しました。

いつでも太陽に向けれるような架台も作製し、最大限の発電が出来るようにしていました✌

DELTA PROは最大1600W

さて、次の購入したポータブル電源は、容量も性能も格段に上がりました。

ソーラー入力も1600Wまで可能になったので、ソーラーパネルも限界まで増強したい!

DELTA PROのソーラー入力の定格値は、

・電圧 11~150V
・電流 最大15A
・最大電力1600W

となっており、この範囲内であればソーラーパネルを複数枚合わせて使用する事が可能です。

購入しているソーラーパネルは、

・電圧 42V
・電流 13A
・最大電力 440W

ソーラーパネルを複数枚接続するときは、直列接続か並列接続するわけですが、

直列接続すると、電圧はプラスされていきますが、電流はそのまま

並列接続すると、電圧はそのままで、電流はプラスされていきます。

例えば上記ソーラーパネルを2枚接続したと仮定すると、

・直列接続した場合
  電圧84V・電流13A・最大電力880W

・並列接続した場合
  電圧42V・電流26A・最大電力880W

と言った感じになります。

この2枚接続でDELTA PROの定格を見てみると、並列接続だと電流値がオーバーしてますね。

と言うことは選択の余地無く、複数枚のソーラーパネルを接続したいなら直列接続するしか方法はありません。


バルコニーの寸法ともにらめっこした結果、3枚のパネルを直列接続する事にしました。

・電圧 126V
・電流 13A
・最大電力 1320W

なので、DELTA PROの定格値にも入っているので問題ありませんね。

機能的な架台を設計

さて、ソーラーパネルは決定したので、次は架台の設計をします。

前回作製した架台は、使ってみて色々な不満が出てきました。

前回作製した架台の記事はこちら👇

・高さが無いから、朝・夕のバルコニーの壁の影の影響が大きい。
・移動時はパイプを引きずっている

主にこの2点。特に前者は発電量に大きく関わるので、なるべく高い位置に設置できるのが望ましい。

何度も行われた脳内会議で、改良に改良を重ねて作製した3Dイメージがこちら(パネル角度20度の時)。

パイプの下端にはストッパー付きのキャスターを採用し、引きずることなく、簡単に移動できるように設計。

前回の架台は、パネルがほぼ床置きだったのに対して700mmかさ上げ。影の影響を受けにくいようにしました。

最初はパネル3枚を1つの架台に載せるように考えてたけど、向きを変更する時に対角の寸法が、バルコニーの寸法的にギリギリなので、2枚+1枚の別々の架台として設計。

この図面にバルコニーの壁を入れてみると、(冬の太陽視点)

影の影響は受けにくくなったと思います。

🌞せやなっ



無駄に広くて使い道が無かったバルコニーが有効活用できます🤗

使用した部材はこんな感じです。

2枚用の架台

・赤:パイプの寸法
・青:プラスチックジョイント
・緑:メタルジョイント
・黄:キャスター

※マークの付いた976mmは、あくまで計算上での数値で、要現物合わせです。

1枚用の架台

基本構成は2枚用と同じです。

メタルジョイントのEF-4018は基本的にホームセンターには置いていない商品なのでネット購入するか、ホームセンターで取り寄せになると思います。

ただ単価が高いので、スペーシアのJB-701で代用するのもありかもしれませんね。


あと、両方の図面には載せてないけど、パネルの角度を固定させるためのパイプと、それを固定する脱着可能なジョイントJ-59Aが必要になります。

青い部分のパーツになります。

パネルの角度を小さくするなら短く。大きくするなら長くします。図面角度20度だと1本あたり635mm

J-59はパイプ1本あたり2個必要になるので、パネル3枚だと12個必要になります。

必要な部品点数があまりにも多すぎるので、ホームセンターで購入するとレジで大変な事になるので、ネットでまとめて購入することをおすすめします🤣

1枚用架台の作製

図面が完成し、必要な部材が分かったのでネットで必要な部材をまとめて購入しました。

イレクターパイプは4mを15本も購入です・・・。

まずはパネル1枚用の小さい方の架台から作製。

作製した図面を元に間違いのないように採寸。マスキングテープを貼って長さを記入していきます。

間違いなければ、パイプカッターで切断。

切断する本数が多いので、ベアリング内蔵で手が疲れにくい、スーパーツールのパイプカッターがおすすめ。

切断が終わったら、図面を見ながら組み立て。

この時、矢印の蝶番となるパーツJ-7Cを忘れずに入れ込んでおきましょう!

全体像が見えて、間違いない事を確認したら専用接着液で固めていきます。

作業した日は、3月の気温が低い日で天候はくもり。

接着液が乾いて固まるのにすごく時間がかかっていたので、ドライヤーを使って時短!

内部までは乾いていなくても、表面が乾いて接着されていれば、手荒な事をしない限り大丈夫でしょう。

パネルを載せる部分以外の”枠”の接着作業終了。

ソーラーパネルにEF-4018を取り付け、パイプを固定。

この現物に合わせて、図面上の※976mmのパイプで問題ないか調整して接着します。

特にEF-4018を使用せずに、スペーシアのJB-701を代用した場合は絶対です。

パイプの長さが決まったら、パネルに取り付けたパイプは全て外します。

外したパネル部分のパイプを、架台本体に接着。

ここで、重要ポイント💡

矢印の部材J-7Cは、パネルの角度を可変させる時に、蝶番となる部分です。

ここに接着液が付いてしまうと角度変更が出来なくなるので、絶対に付着しないようにしましょう。


接着が完了したら、最後にキャスターを取り付けですが、パイプの切り口は雨水に晒されるので、

物置に眠ってたクルマ用の塗料を、切り口とパイプ内側に塗っておきました。

新たに購入するなら、サビ止め塗料の方が効率的だと思います。

この処置をしておくだけで、パイプの耐久性は格段に向上すると思います。

キャスターの構成部品がスチール製で、屋外での耐久性が不安だったのでメーカーに問い合わせました。

回答:キャスターよりパイプの切り口の方が錆びるのが早い為、パイプの防錆処理を推奨

との事でした。

あとは、パイプにキャスターをはめ込み、スパナで締めて固定します。

締めこむスパナはヤザキ製は高いので、ユーエイキャスターのスパナを使いました。

キャスターをパイプにはめ込む時、やすりでバリを削り取り、パーツクリーナーを吹きかけて濡れた状態で入れるとスムーズに入ります。

あとは完成した架台に、パネルを固定するだけです。

パネルは水平状態で固定します。

完成した架台より長いパイプを置いて、水平状態を維持して下に潜り込んで固定しました。

下に潜り込んでる最中にパネルが落下してこないよう、頑丈な素材・長さのものを支えにしましょう。

あとは、パネルの角度を付けるためのパーツを作れば完成です。

パネルの角度は、季節・暴風が予想される時に可変できるようにするので、取り外し可能な部材で作ります。

J-59A。バチン!とはめるだけなので、外すのも簡単です👍

635mmのパイプ両端にJ-59Aを取り付けると、パネル角度は20度になる計算です。

1枚用完成!!

角度は?

20.25度!図面の精度もなかなか良好でした🤗

2枚用架台の作製

基本的には1枚用の架台と同じ要領で組み立てていきますが、サイズが大きくて部品点数が増える分大変です。

パイプの切断時は、間違いの無いように図面やリストを手元に置いて、カットしたパイプには何ミリのパイプかを分かるようにしておくと間違いが少ない。

2枚用の架台は天気の良い日に作製したので、ドライヤー不要でした。

急ぎでなければ天気が良い日の方がサクサクと進みますね✌

いきなり枠組み完成。

あとはパネルを固定し、角度を付ける。

ケーブルの敷設・加工

3枚のパネルを直列で接続。

架台は移動できるようにしたので10mの延長ソーラーケーブルを加工し、可動範囲を賄えるようにしますが、長すぎても取り回しが悪くなるので、移動させる範囲を把握したうえで、最長となる長さ+50cm程度の長さにケーブルを加工します。

ソーラーケーブルのコネクタは世界一般的ににMC4コネクタが使われます。(日本のパネルメーカーのみ独自規格に拘るが・・・)

圧着工具は、アイウィスのLY-2546B

MC4コネクターは、YFFSFDCの物を使用しています。

MC4コネクタはメーカーによって精度が結構違って、粗悪な物になると組立時の端子がボディーにしっかりと嵌まらない(嵌まりにくい)物があります。何種類か購入したけど、このYFFSFDCのコネクタが一番精度が良いと感じます。

1000W超の移動可能な架台完成!

完成しました!定格最大440Wのパネルを3直列したので、最大1320Wの発電が可能です。

写真撮影日は、4月1日14時。パネル向きは真南。

日は少し西に傾き、ピークの発電量よりは落ち込んでいるものの、1000W超えの発電をしております✌

そしてさらに1時間もすると、日はさらに傾き発電量が500W程度まで落ちてしまったので架台の向きを真西に!

パネルの影を見てもらえると分かりやすいですが、ほぼ太陽の方向を向ける事が可能です。

向きを変えるだけで、4月1日 15時でも900W程度の発電をしてくれます🤗

ケーブルを見栄え良く

架台の移動を可能にした結果、上の写真のようにケーブルの余長がダラッとしてみっともない。

延長ケーブルは、敢えて赤と黒の2色のケーブルとしました。どちらが+側かを一目で分かるようにしたかったからです。

でも、このような状況では更にゴチャっと見えてしまってます。

そこで、ケーブルの紫外線等の保護も兼ねて、耐候性のあるスパイラルチューブを巻いてみました。

スパイラルチューブなので、隙間を広げれば中のケーブルの色が確認できるので、ケーブルを赤にした意味もしっかり残せます✌

あとは、架台にイレクター部材のJ-53Aを接着し、ケーブルをまとめられるようにしました。

南向き・西向きでケーブルをまとめる場所が変わるので、両対応できるようにJ-53Aを多めに接着しておきました。

これで見栄え問題も解決です✌

台風対策

見るからに暴風の影響を受けそうなソーラーパネル。

以前大阪に台風が直撃した時のニュースで、横風を受けて横転するトラック・横転し吹き飛ばされる軽バン。。

そんな暴風が吹き荒れた場合、こんな軽くて面積の広いソーラーパネルなんて、いとも簡単に吹き飛ばされてしまいそうです。

そんな事は絶対に許されないので、設計段階から織り込み済みです✌


パネル1枚当たり2本の角度調整用のパイプがあるのですが、それを外すと一番下まで下がるようなクリアランスを設けて架台の長さを決めました。

上の写真では、角度調整パイプは外してありますが、実際は下の写真のように架台と固定しパネルを若干浮かせてます。(20度用のパイプの場合)

このように工具不要で、パイプジョイントを操作するだけで風を逃がせるような角度に変更する事が可能です。

写真は、実際に台風が接近する予報の時の写真です。

パネル角度を下げて、さらに架台が動かないようにバルコニーの手すりにPPロープでガッチリ結び付けてあります。

もちろん架台のキャスターもすべてロック状態です。

ここまですると動かそうと思って力を加えても動かないくらいしっかりしてます。

架台選びは慎重に

ここまで紹介してきた通り、完全自作の架台を紹介しました。

完全にイチから設計し、理想的な架台を作製する事ができましたが、当初の図面からかなりの設計変更を繰り返しここまでたどり着きました。

初めに完成した図面はこんな感じでした👇(角度調整は可能)

・作製費を削る(ケチる)為、パイプの補強も最低限。
・バルコニーの壁の影の影響を過少評価していた為、高さが無い。

など、実際設計してからイマジネーションを働かせ、問題を想像し解消していくと良いと思います。

ただ、理想的な架台を求めた結果、パネル1枚当たりの架台の製作費用は14,000円かかっています💦

3枚分の架台で42,000円ですね😅

これを高いととるか、妥当だととるか・・・。

だからこそ、あとでこうすれば良かったという後悔を無くすために、設計段階で充分に練り上げる必要があるんです。


でも、自作の架台だと設計・作製でかなりの労力を必要とするので、手っ取り早く既製品を買うという選択肢もあるでしょう。

ただ個人的には、設置場所の環境に合わせたサイズの架台を、移動可能なように作ると最大限の発電が出来るのでおすすめですね🤗

とりあえず架台は適当でいいか~。

と安易に購入してしまうと後悔してしまう事もあると思うので、慎重に考えてみて下さいね!


今回設計した作図ソフトは、ゼットソーの”もでりんV3”です。

今は無料版の”もでりんクラウド”があるみたいなので、気になった方は検索してみて下さい👍


現場からは以上です。

≪ソーラーパネル架台作製 記事一覧≫

①角度変更可能な架台の設計
②イレクターパイプで架台作製
👉③ソーラーパネル増強&不満点を改良した架台

-ポータブル電源