3Dプリンターを購入してから約半年。
いろいろな物を印刷してきました。
初期の頃は3Dデータの共有サイトからダウンロードした物が多く、3DCADでの作図を覚えてからは、比較的簡単な”箱型”の収納やタブレットのホルダー等を作っていました。
それなりに失敗も経験し、間違いなくスキルアップしてきました🤗
スマホスタンドが欲しい
スマートフォンを角度を付けて置ける台が欲しいんだけど
と依頼がありました。
用途としては、テーブルの上に置いてウェブや動画を見るのに使いたい。
購入した市販品は角度変更が出来るものの、最も緩やかな角度でも60度。もっと低い角度で使いたいみたい。
どれくらいがベストなのか調査したところ、50度が丁度良かったので、3DCADで作図。

自宅で使うのみなので、持ち運び等は特に何も考えずに作図しました。
使用中にスタンドやスマートフォンが滑らないように、スタンドの底面に4か所・スマートフォンの当たる下端部に2か所に滑り止めを貼り付ける窪みを準備。
1時間20分かけて印刷したのがこちら👇
滑り止めは、3Mのクッションゴムを使用。
裏面にも4か所。
このクッションゴムが最高に滑りにくい!最高の仕事をしてくれます。
クッションゴムを貼りつ付けないと、タッチ操作でズレてしまうので何かしらの滑り止め対策は必須です。
肝心の角度は、50度で設計しましたが、
ビックリするくらいピッタリに仕上がってます😮
実際にスマートフォンを置いて使用し、縦置きでも横置きでも安定して使用する事が可能でした🤗

固定式スマホスタンドのデータは、記事の最後にあります。
角度可変・折り畳み式が欲しい
上記で作製したスマホスタンド。
まいたけ的には50度でも急すぎる。使うなら30度くらいがベスト。
人によって好みの角度は全然違います。
でもスマホスタンドの必要性を感じていなかったので新しく作る事はありませんでしたが。
ある日、小さい子供がいる知人が訪れた時に、作製したスマホスタンドを見て言いました。
知人
外出時に子供を大人しくさせたい時に使いたい🥺
小さい子供がいると、外食時に子供に食べさせた後、自分は急いで食べないと子供がグズグズする時とかありますね。
そんな時に、スマートフォンでアンパンマンとかを見させておけば、少しゆっくりとご飯を食べる事ができます。
でもスマートフォンをうまく固定させるのが大変との事でした。
でも作製した角度固定のスマホスタンドを持ち歩くには嵩張りすぎる🤔
世のニーズは角度可変・折り畳み式や!
3DCADで図面作成
角度可変で折り畳み式と言うことは、複数部品を組み合わせて作ることになります。
作図経験の無いまいたけにとってはなかなかのハードルです。
部品を組み合わせる部分は回転させる必要があるので、その寸法をどのようにするのか?
組み立てしやすく、使用中に外れてしまわないラップ量はどれくらいなのか?
試作を重ねて、3つのパーツが完成しました。
①土台となるメインのパーツ
角度可変時に角度を固定できるように、複数の溝を配置。
溝で8段階の角度調整が可能です。後で解説しますが、奥(画像左上)の出っ張りを使用すると合計10段階の角度調整が可能になります。
あとは、折り畳んだ時にフラットになるように細工も施してあります。
②端末を置く面となるパーツ
スマートフォンを置く台となるパーツです。
固定式の時は、スマートフォンでの使用しか想定していなかったのを、iPad等の10インチ程度のタブレットでも使用可能なようにしました。
ただ、縦置きでも安定させようと思うと、スタンド自体が大きくなりすぎるので、横置きまでの想定です。
中央のくり抜いてある部分に、角度を固定する為のパーツが入ります。
②角度を固定するパーツ
②のパーツにはめ込み、①の溝で固定する事により、角度を固定させる事が可能になります。
上のコの字の出っ張りは、折り畳んだ時に②のパーツを面を合わせる為の出っ張り。
下の2つの溝は、①の出っ張りに引っかけて、低い角度で調整できるようにしています。
3Dプリンターで印刷
3Dプリンターでの印刷は、3つの部品をまとめて印刷しました。
まいたけの3Dプリンター”Neptune4”だと推定2時間7分かかります。
積層式の3Dプリンターを使用した事がある人にとっては常識だと思いますが、1層目の定着って悪いんですよね😣
なので1層目が問題なく印刷できた所まで見守ってからその場を離れた方が良いです。
失敗すると材料も時間も無駄になってしまうので。。
印刷開始~
大きな部品は大丈夫な事が多いけど、点で印刷するような所は失敗しやすい!
全くプレートに付かなかったり、ツノみたいになってしまい2層目の印刷で持っていかれたりします。
結果的にこの印刷は一層目の途中で失敗してしまいました😅
定着が悪く90度の角度がしっかりと印刷できませんでした😵
まぁ、3Dプリンターを使用している人からしたら日常だと思います。
このまま印刷しても失敗するのは確実なので、すぐに印刷を停止し始めからやり直しましょう!
配置を変更し再印刷。

一層目の定着が問題なければ、基本的にあとは放置で大丈夫です。
インフィル密度は15%で印刷しているので、厚みのある部分の内部は結構スカスカですが強度は全然問題ありません。
2時間15分で印刷完了♪
印刷終了直後に剥がすと変形しやすいので、ある程度冷めてから剥がした方が良いですね。
印刷するフィラメントの材質にもよりますが、温度変化による収縮でビルドプレートから勝手に剥がれてくるので剥がしやすいし。
今回使用したフィラメントは、ELEGOO PLA Plus フィラメントのホワイト です。
ELEGOO PLA Plus フィラメント
ホワイト・ブラック・クリアの3種類作製しました。

組み立て
上の写真は組み立て済みですが、3つの部品から構成されているので、組み立て(はめ込み)が必要ですね。
3Dプリンターで印刷する際に、上手く印刷するためにサポート材が一緒に印刷されます(設定による)。

矢印の個所のような、空間の上部を印刷したり、
下から見た図ですが、赤く表示されている部分は、
ビルドプレートから浮いた位置なので、このままではキレイに印刷できません。
そこで、後から取り除くのを前提にサポート材が印刷され、その上に印刷されます。
そのサポート材を除去する所からスタートです。
赤く表示されている部分の、外部から簡単に取れるサポート材は指で簡単に取り除けますが、矢印の奥まった部分のサポート材はちょっと面倒。
ANEXのドライバーセットに入っているキリを使って、穴の内部にあるサポート材を除去しました。(本体色がクリアで見にくくなってしまいました💦)
サポート材を除去したら組み立てていきます。
組み立て部分の凹凸は、4mmと2mmで分けてあります。
組付け時は4mmを先にはめ込まないと入らないので注意して下さい。
先に②と③のはめ込みをした方が組付けやすいです。
あとは、①と②をはめ込み。
コツを掴めば簡単です。ポイントは4mmの方をしっかり奥まで押さえ込んで、2mmの方をはめ込みます。
組付け直後は、凹凸の関係で動きが滑らかではないけど、しばらく使っていくと滑らかに動くようになります。
最後に6ケ所にクッションゴムを貼り付けて完成です。
使用感は?
まず角度調整はどうか?
分かりやすく数値で!

約63度~21度の10段階調整可能!
これだけ幅が広ければ、きっと好みの位置はあるんじゃないでしょうか?
まいたけの好みの角度度しては、
縦置きで使用する時は30度!
横置きで動画視聴は47度!
角度可変機能は、かなりこだわったのでなかなかイイ感じになったと思います。
あともう一つ、外出時に使いたいとの事だったので、持ち運びしやすい形状も考慮しました。
一目瞭然ですね。
折り畳み部分の最大厚さは6mm。
ストッパー部分(写真でいうと右端)が13mm。
③の角度を固定するパーツが、①②の穴部分に入る事により折り畳み時フラットにする事が可能です。
バックにスッと入る大きさで、こちらもかなり良い仕上がりになったと思います。
あとは固定式よりスマートフォンの接地面積を大きくしました。
これにより、iPad等の10インチ程度のタブレットを置く事が可能になりました。
Amazonの10インチタブレットを置いてみた所、横置きなら全ての角度で快適に使用可能です。
ダウンロード
素人が作った割には、なかなかの完成度で出来たと思います。
正直、ここまで出来るとは思っていませんでした🤣
みなさんにも好評だったので、STLデータをダウンロードできるようにしておきますが、個人的な利用のみでお願いします。
ZIP形式です。展開すると①②③の3つのデータがあるので、スライスソフトで印刷設定をしてご利用ください。
50度固定式のスマホスタンドのデータはこちらです
まいたけが使用している3DプリンターはELEGOO Neptune4。
オートレベリング機能が付いているので、初心者にもやさしいプリンターなので、導入しようとしている方にはおすすめですよ!
ELEGOO Neptune4
フィラメントは3Dプリンターと同じメーカーの、ELEGOO PLA PLUSを使用。
定番のホワイト・ブラックの他にも様々な色があるので、お気に入りの色で印刷してみて下さい!
ELEGOO PLA PLUSフィラメント
印刷したら、絶対に滑り止めのクッションゴムを貼り付けて下さい。
使用感は雲泥の差です。全く滑らなくなりますよ!
3M クッションゴム